ポルシェ911カレラ2.7(1974年式)

歴史にその名を刻むダックテール
1964年に発売されて以来、40年以上の歴史を持つポルシェ911。中には、特別な存在として認められているモデルがいくつかある。その1台が、73年式カレラRS2.7、通称“73カレラ(ナナサンカレラ)”である。
タイプ930ボディとなった74年のスタンダードモデルの911は、空冷水平対向6気筒エンジンの排気量を、従来の2.4リットルから2.7リットルに拡大。
前年から2.7リットルだったカレラの排気量に、スタンダードモデルが追いついたことになる。もちろん、チューニングは差がつけられていた。

911の標準仕様は150馬力/5700rpm、高性能版の911Sが175馬力/5800rpm。対する911カレラは210馬力/6300rpmをマークした。カレラはピークパワーから発生回転数まで、911や911Sに大差をつけていた。

73年式カレラRS2.7と74/75年式カレラ2.7のエンジンは共通である。

そのタイプナンバーは911/83型と呼ばれている。この後、76年に販売されたカレラ3.0は、排気量が拡大されたにもかかわらず200馬力/6000rpmと、2.7リットルのカレラよりむしろ低い数値になっていた。74/75年のカレラ2.7リットル版だけが、名車カレラRS2.7譲りのエンジンを持っていることが、こうしたデータからわかる。
911カレラはボディも魅力的だ。まず目を引くのはリアのエンジンフード上のスポイラーで、“ダックテール”という愛称がつけられた。それは、カレラRS2.7と同じスタイルである。そしてもうひとつ、リアフェンダーが911や911Sよりも少し外側に張り出している特徴にも気づく。これもカレラRSと同じだ。
外観は、前後に衝撃吸収バンパーを装備した結果、車重はナローボディより大幅に重くなったように見える。が、実際はこの大型にしたバンパーを軽合金製とするなどして、従来以上に軽量化に努めていた。その結果、911と911Sは1100キロで、ナローボディに2.4リットルを積んだ73年式911Sと同じ数字をキープしていた。
このモデルは当時のモータースポーツのレギュレーションに沿って開発され、搭載エンジンは2.4リットルが最大だった初期のタイプ901“ナローボディ”に、210馬力を発生する2.7リットルの空冷水平対向6気筒を載せていた。ボディの軽量化も施しており、1964年の時点で歴代最速の911となっていた。カレラRS2.7は911の歴史に残る名車といえるだろう。
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